新しいブログになってから、心機一転、毎日記事を書こう!と心に誓ったものの、有り難い事に本業(?)の診察を忙しくさせていただいており、なかなか更新できずにいる今日この頃です。
さて、今回はなかなかの挑戦的なタイトルになってしまいましたが、フィラリア予防薬のお話です。
ひそかに受付にパンフレットを置いていたので、気付かれた方もいるかと思いますが、今年から1回の注射で1年間フィラリア予防ができる「プロハート12」を導入しました。
この注射薬のメリットは、
・なかなか薬を飲んでくれない、吐き出してしまう、といった飲み薬特有の苦労から解放される。
・毎月決められた日に飲ませなければならない投薬の手間がなくなる。
・12か月効くので、病院が混まない時期に予防を開始できる。
などがあります。
逆にデメリットは、
・飲み薬に比べ、価格が割高になる。
・まれにワクチンアレルギーに似た症状が副作用で出る(注射部位の腫れ、顔のむくみ、嘔吐、下痢など)
があります。
なので、今まで飲み薬による予防薬で問題なかったコは、あえて注射薬に切り替えるメリットがあまりないので、これを使用する機会はあまりないだろうなと思います。
あとは、この薬、やたらとお値段が張るのです。。。
高いだけならまだいいのですが、一度溶かして使うと2か月しか持たないという期限付きです。
期限付きで似たような薬にコンベニアという、1度の注射で2週間効く抗生剤があります。
コンベニアは溶かして使い始めると1か月しか持ちません。
ただ、これは4mlと10mlという2種類の大きさの薬があるので、当院のような小さい病院でも、小さいほうの薬であれば、あまりロスなく使うことができます。
ちなみにわんちゃんねこちゃんで、体重1kgあたり0.1mlの量で使うので、4mlだと合計40kg、10mlだと合計100kgを1か月以内に使う事になります。
しかし、このプロハート12は、8mlの量の薬しかありません。
体重1kgあたり0.05mlの量で使うので、体重にして合計160kgの量を2か月以内に使う薬になります。
患者数の多い病院であれば、この量でも使い切ることができると思いますが、当院だと明らかに多すぎなのです。。。
なので、当院で導入しても原価割れしそうなので、使わないでおこうと思っていました。
ところが、先日、当院をかかりつけにしてくださった飼い主様のお話で、小型犬のコで、どうしても飲み薬が飲ませられなくて、他院で注射薬を予防して、煩わしさから解放されたという方がいらっしゃいました。
せっかく当院をかかりつけにして頂いているのに、またフィラリア予防だけ他院に行ってもらうことになるのか。。。ムムム、、、
導入すべきかどうか悩みましたが、経験上、人生における大抵の悩みはミスチルの歌に答えが書かれています。
胸に手をあてて考えると、次のような詩(うた)が流れ込んできました。
「駆け引きの世界で僕が得たものを ダスターシュートに投げ込むよ」
うん、駆け引きなんてくそくらえですね(笑)
そんなわけで、導入してみますた(・ω・)vイエイ
ちなみに、価格は、飲み薬で同じ成分のモキシハートの10か月分になります。
税抜価格で、
3.75kgまで 5000円
7,5kgまで 7000円
15kgまで 9000円
30kgまで 12000円
になります。
もし興味がおありの方は、ご相談ください。
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先日は、ありがとうございました。
さくらは、頂いた薬、ドッグフードと同じように喜んで食べます。
甘くしてあるのでしょうか。笑
心なしか、ご機嫌もよくなりました。やっぱり、多少は痒かったりしたのかも。
さくらは、お薬、平気なんで助かります。
しかし、ポッケは、薬の匂いで気づくみたいで、食べ物に混ぜてもダメ。
無理やり飲ませると本気がみで、私の手もポッケの口も血だらけ。
なので、どんな病気も注射ですませてました。
フィラリアの注射が、新しいタイプにかわり、副作用の心配も前よりはなくなって
導入する病院が増えてきたとネットに書いてたので、
処方してくれる病院を電話して探しました。
ポッケが亡くなって、一年半。今となっては、懐かしい思い出です。
お薬で苦労してる方には、朗報です。
ポッケが生きてたら、間違いなく、先生に注射してもらってたと思います。