開業してからこれまで、様々なわんちゃんの異物誤飲してしまったコを診させて頂く機会がありました。

 

幸いなことに、ほとんどのコは、薬による吐かせる処置で事なきを得るのですが、今回は、残念ながら手術になってしまったコのお話です。

 

そのコは、飼い主様の目の前で、大人用の靴下を誤飲してしまったとのことで来院されました。

 

まず、催吐処置にて吐かせて出そうと試みましたが、吐いても出たのは胃液のみでした。

 

体格が6kgくらいのコでしたので、詰まらずに便に出てくる可能性は極めて低いと判断し、やむをえず早めの手術で摘出をさせて頂くことになりました。

 

ただ、不幸中の幸いだったのは、飼い主様が異物誤飲を目撃して頂いていたことです。

 

もし見落としていた場合、吐き気や食欲廃絶などの腸閉塞の症状が出てからの来院となってしまい、さらにレントゲン検査では靴下は写らないので、異物の発見が遅れてしまう可能性もあり、その結果、摘出手術のリスクがかなり上がってしまっていたかもしれません。

 

もちろん開腹手術ですので、それなりの負担がありますが、上記のような最悪のシナリオを避けることができました。

 

手術自体はそれほど難しいものではないです。

 

まず剣状突起から臍までを切開し、触診にて胃に異物が明らかにあることを確認しました。

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その後、支持糸をかけて、胃を切開する部分を持ち上げました。

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切開して異物(靴下)を取り出しているところ。

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胃の縫合法もいろいろな考え方がありますが、今回は2層縫合しております。

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取り出した靴下はこちら。

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かなりの大きさでしたので、やはり早めに取り出せて良かったと思います。

 

術後も順調に回復し、3日後に退院となりました。

 

退院時の写真。飼い主様に抱かれてご満悦の様子。

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その後、傷口が少し化膿してしまい、抜糸が遅くなってしまったのですが、術後3週間目にはキレイになっていました。

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そして、お家では元気に生活してくれていたようで、カラーがぼろぼろになっておりました(笑)

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お疲れさまでした。

 

異物誤飲は、特に若いわんちゃんでとても多いです。

 

今回、有り難い事に飼い主様の許可を頂けましたので、手術になってしまったケースとしてご紹介させて頂きました。

 

異物誤飲による中毒、腸閉塞は命に関わりますので、皆様も対岸の火事とは思わず、普段から気をつけて頂けたらと思います。