先日、15歳のミニチュアダックスのコの手術をさせていただきました。

 

1年程前から右の第2乳腺部にしこりがあることに気付かれたのですが、年齢的に高齢ということで、手術するかどうか悩まれている間にどんどんしこりが大きくなってしまったそうです。

 

診させて頂いた時は、体重4kgの体に、大人の握りこぶしくらい(直径10cm程度)の巨大なしこりができておりました。

 

基本的に小型犬の平均寿命が約13歳と言われているので、15歳のコの手術というのは、獣医師の自分でも躊躇してしまいます。

 

こういう正解のない治療法の選択については、いつも悩む問題です。

 

そんなときはどうするのかというと、自分は飼い主様の中に答えがあると思っています。

 

以前、アートディレクターの佐藤可士和さんがインタビューで、

 

「広告やデザインのアイデアは、クライアントの中にある。自分はドクターのように問診をして、それを引き出して、形にしているだけだ。」

 

といった趣旨のことを話されていました。

 

自分も全くその通りだと思っており、問診時やインフォームドコンセント時の飼い主様のしぐさ、話される内容、印象などで、どこまでのリスクを許容し、どこまでの治療を望んでおられるのかを判断することが多いです。

 

あとは自分の獣医師としての基本姿勢として、言い方は悪いですが、「見殺しよりは人殺しのほうがいい」と思っていますので、その願いが獣医療で叶えられるものであれば、最大限に叶えてあげたいと思っています。

 

その結果、今回は手術という選択になりました。

 

術前の写真。

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最速で終わらせるように意識して望みました。

 

術後の写真。

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取れた腫瘍。

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術後の覚醒も予想以上に順調で、次の日には無事に退院となりました。

 

病理検査の結果は残念ながら悪性の乳腺腫瘍でしたが、境界明瞭に取りきれており、脈管内浸潤、肺転移等がないため、経過観察していくことになりました。

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2週間後、抜糸後の様子。

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術創もキレイにくっついており、1年間の飼い主様の悩みが解決できて本当に良かったと思います。お疲れ様でした。