前回は猫ちゃんの尿道閉塞と手術についてお話しさせていただきました。

 

今回はわんちゃんのお話です。

 

オスの犬も猫ほど多くはないですが、尿道に結石が詰まってしまうことがあります。

 

今回ご紹介させていただくのは、ポメラニアンの10歳のオスのコで、排尿姿勢をずっとしているが、おしっこが出ず、食欲もないとのことで来院されました。

 

以前、他院にて膀胱結石を診断されており、ずっと処方食を食べていたとのことでした。

 

レントゲン撮影をし、膀胱、尿道を確認すると。。。

山本ぽんた 尿閉1

 

尿道に結石が詰まっており、膀胱はおしっこでパンパンになっていました。

(股関節にある金属のピンは、他院にて股関節脱臼の手術を受けられた時のもの。)

 

放っておくと命に関わるので、急いで解除する必要があります。

 

セオリーとしては、陰茎の出口から生理食塩水でフラッシュして、膀胱に結石を押し戻し、その後、開腹手術にて膀胱切開して結石を取り出すのが最も一般的な方法です。

 

ただ、今回はいくら頑張っても辛うじて1個の結石が動いたくらいで、おしっこはなんとか出るようになりましたが、完全に開通させることができませんでした。

山本ぽんた 尿閉2

 

この状態だとまたいつ詰まってもおかしくないため、飼い主様と相談の結果、止むを得ず尿道を陰嚢部に開口させる手術(陰嚢部尿道造瘻術)を行うことになりました。

 

陰嚢部尿道造瘻術とは、下の画像の黄色い囲みの部分の尿道を切開し、皮膚に開口させる手術になります。

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術前の写真。毛刈り、消毒をして手術の準備を行います。

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陰嚢部分の尿道を切開するため、まずは去勢手術を行い、その際、陰嚢部の皮膚も切除します。

 

去勢後、陰茎部を露出したところ。

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尿道の真上にある陰茎後引筋を分離し、尿道を切開します。

 

その後、切開した尿道からカテーテルを通し、膀胱から貯留していた尿を抜きます。

 

尿を抜去後、尿道粘膜と皮膚を4-0のPDSで縫合していきました。

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手術終了時の写真。猫の時と同様、しばらくカテーテルを留置しておきます。

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術後は食欲旺盛でしたが、尿道からの出血がしばらく続いたため、カテーテルを長めに留置しておくことで対応しました。

 

1週間後、出血も治っており、無事退院となりました。

 

術後1か月後の外観。

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血尿もなく、順調におしっこも出ているとのことでした。

 

この手術の合併症として、尿やけによる皮膚炎、造瘻部の狭窄がありますので、今後も気をつけて診ていく必要がありますが、とりあえず一安心です。

 

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お疲れ様でした。