昨日までの忙しさがまるで嘘のように、今日は穏やか1日でございました。

 

久々のカンコ・バード(日本名:閑古鳥)の到来に心がざわつく今日この頃です。

 

うん。これは、ガイアが俺に「もっとブログを書け」と囁いているに違いない。

 

ということで、今日は会陰ヘルニアのお話です。

 

ミニチュア・ピンシャーの11歳の男のコが、痛がって鳴いているという主訴で来院されました。

 

診させていただくと、明らかに左のお尻周りが腫れていました。

 

直腸検査にて、左側のお尻の筋肉が薄くなっていて、そこから直腸が脱出しており、便が貯留しているのが確認されたため、左側の会陰ヘルニアと診断しました。

 

飼い主様のお話では、半年前から徐々に腫れてきていたようで、今の所はまだ便は自力で出せているとのことでした。

 

排便時のいきみが今回の痛みの原因となっている可能性や、

放っておくと、筋肉がどんどん非薄化し、ヘルニアの穴が大きくなり便秘が酷くなる可能性、

さらに膀胱や前立腺が出てくると、うまく尿が出なくなり、命に関わる可能性もあるため、1週間後に会陰ヘルニア整復の手術をさせていただくことになりました。

 

術前のレントゲン写真。

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肛門の位置が尾側に変位しており、本来あるはずのない所に便が溜まっております。

 

手術前の写真。

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便を掻き出して肛門を巾着縫合しているところです。

 

便がないにも関わらず、少し腫れているのがわかります。

 

皮膚を切開すると、炎症性の漿液が溜まっておりました。

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鉗子を入れている所がヘルニアの穴になります。

 

尾骨筋、肛門挙筋がかなり萎縮しておりました。

 

尻尾の短いコは、尻尾を動かす筋肉が萎縮しやすいのかもしれません。

 

術式は内閉鎖筋がしっかり残っていましたので、前回の記事と同様、内閉鎖筋フラップを用いた整復を行いました。

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坐骨から内閉鎖筋を剥離し、フラップを作成したところ。

 

その後、2-0のモノフィラメントのナイロン糸で外肛門括約筋と尾骨筋、仙結節靭帯、内閉鎖筋のフラップをヘルニア孔を塞ぐようにそれぞれ結紮していきました。

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術後の写真。

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この後、筋肉の脆弱化を防ぐ目的で、去勢手術も行いました。

 

退院後、最初の便の時、一時的に脱肛してしまったようですが、その後は問題なく排便できているとのことでした。

 

抜糸時の様子。

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お疲れ様でした。

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会陰ヘルニアは99%が去勢していない雄がなる病気と言われており、去勢手術が予防に有効と考えられています。

 

もしなってしまうと、治すためにこのような大変な手術が必要になってしまうのと、術後の再発率も10%程あると言われておりますので、病気の予防として、若いうちの去勢手術をお勧めします。