また久々の更新となってしまいました。

 

気がつけばもう7月ですね。

 

実は6月に仕事のモチベーションを著しく下げられる出来事がありまして、ブログを書く気力が完全になくなってしまっておりました。

 

夜も寝られない数日間を過ごしましたが、ただ今回の出来事も時間が経つにつれ、動物病院の院長という仕事をフルコースで深く味わうために用意されていたスパイスの一つとして捉えられるようになってきました。

 

時には苦かったり渋く思えるような経験も、自分自身の精神力、ひいては人間力の向上に必要だと思います。

 

今後さらに研鑽を積み、獣医療を通して飼い主様に少しでも還元していけたらと思います。

 

 

さて、今回は13歳のミニチュアダックスのオスのコのお話です。

 

トリミング時に肛門周りの腫れ、排便のいきみを指摘され、来院されました。

 

直腸検査にて、左側の肛門周囲の筋肉の菲薄化を認め、会陰ヘルニアと診断しました。

 

レントゲン検査でも便の貯留を認めました。

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待合室で待たれている間も何度も排便姿勢をとっており、とても苦しそうな様子でした。

 

飼い主様と相談の上、手術をさせていただくことになりました。

 

手術は前回のコと同じく、内閉鎖筋をフラップとして利用する手術法で行いました。

 

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手術前の写真。

左の直腸に便が貯留しており、肛門が右側に押されているのがわかります。

 

 

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皮膚を切開し、筋肉の菲薄化によってできてしまったヘルニア孔を確認しています。

 

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ヘルニア孔の上半分を、周りの筋肉を利用し、2-0のナイロン糸で塞いでいきました。

 

その後、ヘルニア孔の下半分を塞ぐ為、下にある内閉鎖筋を坐骨から剥がしました。

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ピンセットでつまんでいるのが、剥離した内閉鎖筋になります。

 

この反転した筋肉を利用し、ヘルニア孔の下半分を塞いでいきました。

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ヘルニア孔を全て塞いだところ。

 

その後、皮下織、皮膚を定法通りに閉鎖しました。

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術後の写真。

肛門の位置が正常に戻っています。

 

術後の経過も良好で、4日後に無事退院となりました。

 

その1週間後、抜糸時も排便良好とのことで、今までの元気のなさが嘘のようと飼い主様も喜ばれておりました。

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抜糸後の様子。

術部の腫れもなく、キレイになっております。

 

 

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待合室でも元気に尻尾を振って歩きまわっておりました。

 

お疲れ様でした。