生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。

それは、変化に最もよく適応したものである。

あの、「進化論」で有名なチャールズ・ダーウィンの名言ですね。

 

実際はダーウィン自身が言ったものではない、という説もあるそうですが、それはまあどうでもいいとして。

 

「変化できないものは生き残れない」という、獣医師としても、自営業者としても、非常に心に突き刺さる言葉であります。

 

特に獣医療は、医療と同様、めまぐるしく変化しており、昔の常識が現在では非常識、ということも多々あるわけです。

 

今回はそんな獣医療の、個人的にとても驚いた変化を1つ紹介したいと思います。

 

突然ですが、皆様、脾臓を全摘出する手術をご存知でしょうか?

 

脾臓は主に血液を貯留しておく臓器で、なくなっても生命維持には問題ないと言われています。

 

イヌ、ネコでもヒトと同様に脾臓に腫瘍ができるケースがあり、そういった場合は、手術として脾臓を全摘する方法が一般的に行われています。

 

その全摘する方法なのですが、

 

脾臓に走っている血管を全て結紮⇨摘出

 

という非常に単純な方法になっております。

 

学生の外科実習で教わるような基本的な手術なのですが、そのときは、その血管を結紮する場所がとても重要だと教わりました。

 

「誤った場所で結紮すると、膵臓や胃など他の臓器の血行障害が起きるので、絶対にやめてください」と言われていました。

 

獣医師になって間もなく買った本にも同じように書かれていたので、手術の際は脾臓になるべく近い血管を修行僧のように何十箇所とせっせと頑張って結紮していたのですが。。。

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2007年に買った本の内容。

 

最近買った本には、その常識が覆されておりました。

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つい最近出た本の内容。

 

うん、やはり常に勉強する姿勢は大事だね。

 

これで、脾摘の手術時間はだいぶ短縮されると思うので、とても有難い情報でした。

 

皆様も時代の変化に取り残されないようお気をつけください(笑)