最近はかなり涼しくなっており、ノミダニの猛威も徐々に減ってきていると思われますが。。。
この時期でも、「ノミがついていた」、「散歩中にダニがついた」とのことで来院される飼い主様もいらっしゃいますので、もうしばらくの間はノミダニ予防をお勧めします。
今回はそんなノミダニ予防薬のお話です。
一昔前までは、ノミダニ予防といえばフロントラインなどの皮膚に垂らすタイプの薬のみでした。
しかし1年ほど前に、新たに飲み薬タイプのノミダニ予防薬として、ブラベクトがまず販売され、少し遅れてネクスガードが日本で販売されるようになりました。
この薬が出る前は、飲み薬はコンフォティスという錠剤があったのですが、錠剤なので、飲ませづらいというデメリットがありました。
そのデメリットを解消すべく、ブラベクト、ネクスガードともにお肉の風味がついており、ワンちゃんにとって嗜好性が高く、飲ませやすくなっております。
ブラベクトとネクスガードの違いは、効果のある期間です。
ネクスガードが1ヶ月なのに対し、ブラベクトは3ヶ月も効果が持続します。
なので、使い方としては、
なるべく飲ませる手間を少なくしたい場合は、ブラベクト
味付きで美味しいので、ご褒美代わりにフィラリアの薬と同じように月一回与えたい場合はネクスガード
などが考えられます。
ノミダニ予防に新たな一石を投じたブラベクトやネクスガードは、次世代を担うセンシティブな薬として僕の中で期待が集まっておりますが。。。
実はノミダニ以外にも、効く病気がある可能性が出ています。
それがこちら
ブラベクト
http://parasitesandvectors.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13071-015-0775-8
ネクスガード
http://www.parasite-journal.org/articles/parasite/pdf/2016/01/parasite160008.pdf
全文を読んでいただいたご聡明な皆様はすでにお分かりの通り、demodicosis:ニキビダニ(アカラス)ですね。
どちらもアドホケートという薬との比較の論文ですが、ニキビダニに対して99%以上の効果が認められたとのことです。
ニキビダニについては以前のブログで書いた通りで、この時は、週1回の注射を計5回行って治療しました。
この論文では、ブラベクトは1回飲ませるだけ、ネクスガードは2週間ごとに3回飲ませることで治療しているようです。
もしこれが本当なら、ニキビダニの治療は今までに比べ、大分楽になりますね。
楽になるだけでなく、今までの薬だと副作用の心配があった、フィラリア陽性犬やコリーなどのMDR1陽性の犬に対するニキビダニの治療も可能かもしれません。
ただ完全に効能外使用となりますので、もし治療にご使用の際は、副作用のことも含めてかかりつけの先生とよくご相談した上で、慎重に使用していただきたいと思います。
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